会社員や公務員をやめてフリーランスになる前の準備ってどんなものがある?
退職した後「しまった!」ってなりたくないから今のうちに知りたい…
今回の記事では公務員を退職してフリーランスになったコギトが退職する前にやっておいたほうがいいことを15コ解説していきます。
会社員・公務員のうちに是非やっておいたほうがいいこと、意外と知らない情報も自分の経験からまとめていますので是非ご覧ください!
これから会社員・公務員からフリーランスを目指す方は是非チェックしてみてくださいね。
- 大学院修了後教員採用試験不合格で一年浪人の後、合格
- 音楽教員として18年勤める
- 職場での人間関係や働き方に疑問を感じ、人生のこれからについて考え直す
- 2020年コロナがきっかけで副業を始める、2021年には副業収入6桁超え
- 教員を辞めることを決意、2023年3月に退職、5月には公務員時代の月収を超える
- 現在フリーランスをしながらマイクロ法人2期目
フリーランスになる前にやっておく15のこと
会社員や公務員を辞めるまでに準備しておくことは以下があります。
- 生活防衛費を貯める
- フリーランス生活の収支をチェックしてみる
- 生活レベルの許容度を確認する
- 経費のレシートを取っておく
- 仕事用の口座やクレジットカードを作成する
- 簿記3級程度の知識をつける
- 退職後のビジネスを育てておく
- SNS運用する(アイコン作成など)
- 開業届を出す
- フリーランス生活をお試しする
- 1年間継続できることを見つける
- 家族など周囲の人へ退職のことを話しておく
- 退職後の保険制度の加入について決める
- 退職金の確認
- ふるさと納税を満額行う
一つ一つくわしく教えて!
【お金の面】フリーランスになる準備
生活防衛費を貯める
フリーランスになると業種にもよりますが、収入はジェットコースターのように上下。
公務員時代の半分!とかの月もあれば、公務員の月収を超える時もあったりして波がすごい…
特にフリーランス1年目は一度も経験したこともないことをやることになるので、収入も支出も読めないもの。
- 仕事がうまく収益化できず、数ヶ月売上ほぼゼロ
- 体調を崩して働けない期間があり、収入ゼロ
こんなことも普通に考えられる事態です。
会社員・公務員なら、仕事できなくても病気で休んでも給料入ってきたのに…
収入がない事態に備えて蓄え=生活防衛資金を準備しておくことが大事です。
無収入でも半年〜1年くらい生活できるくらいの貯蓄を取っておくってよく言われてるわよね。
退職金を生活防衛資金に充てるのも一案ですね(自分はそうしました)。
フリーランス生活の収支をチェックしてみる
前述しましたが、フリーランス生活の収支は特に1年目は読みにくいです。
今まで天引きで考えたこともなかった住民税とか所得税っていくらになるんだ…?
結婚して家族が増えるなどのライフイベントによって月の支出は大きく変化しますが、とりあえず今段階で自分がフリーランスになったらどんな支出がいくらあるのかをチェックしてみましょう。
その金額によってフリーランスになったときに最低限稼ぐ目標値が定まるはずです。
○万円あればとりあえず生きていける!みたいな金額がだいたいわかれば安心しますよね。
ちなみにフリーランスになると天引きされずに自分で支払う費用は以下があります
- 国民年金
- 国民健康保険料(もしかしたら家族分も?)
- 住民税
- 所得税
フリーランスで支払うことになる税金等は以下の記事で解説しています。
【いつ?いくら?】フリーランスになったら自分で支払わなければいけないお金4つ
生活レベルの許容度を確認する
フリーランスになったら生活レベル落とせばなんとか大丈夫じゃない?
と、自分もふわっと考えたこともありますが、生活レベルってそう簡単に落とせるものではありません。
フリーランスになったんだから、といって生活レベルをガクっと落とそうとするなら、
- 車売って
- 家売って
- 着てる服のランクも落として
- 食べるもののランクも落として
と、思っている以上の変化を自分に強いることになります。
実際にやってしまえる人は良いのですが、そんな人は多くはないのでは…?
どのくらいの生活レベルで満足できるのか確かめるために、自分をテストしてみるのがおすすめ。
- 期間限定で車使わない、外食しない、などの生活レベルを落とした生活をしてみる
- 高級ホテルに着飾って滞在し、どのくらいときめくか感情に聞いてみる
この「質素パターン」「豪遊パターン」両極端な生活をやってみることで、自分がどのくらい生活レベルを下げてもOKなのか、またどのくらい生活レベルを上げることに欲望があるのかをチェックすることは結構面白い体験です。
自分の場合だと、1泊10万円くらいのホテルに泊まってみましたが「たまにでいいかな」という感想でした。毎日豪華にしなくても自分はいいんだなとわかりました。
- 生活のどこを大事にしたいのか
- どこにどのくらいお金をかけたいか、かけなくても大丈夫か
- 自分にとっての理想、ちょうどいい暮らしとはどんなものか
このテストをやることで理解することができ、フリーランス生活の収支を考える上で参考になると思います。
会社員・公務員である今やっている生活は今の収入でこそ成り立っているもの。本当の自分にちょうどいい生活とか望んでいるものはもっと別かもしれませんよね。
経費のレシートを取っておく
経費のレシート取っておくのはフリーランスになった後だと思っていませんか?
実はフリーランスになる前の経費も開業費として、経費化することができるんです。
- 会社員・公務員を退職する前に仕事の準備で買ったパソコン
- フリーランスになるために入っているオンラインサロン代
- フリーランスになるために準備した仕事部屋の備品など
これらのレシートはとっておきましょう。フリーランスになった後に開業費という形で計上することで所得税を安くすることができます。
退職・フリーランスになるどのくらい前までのレシートなら開業費にできるの?
厳密には期間が決まっていない(どのくらい前でもOK)らしいのですが、現実的に考えて、半年〜1年くらいの費用を開業費に充てることが多いようです。
開業費については以下の記事でも詳しく解説しています。
【絶対やっとけ】フリーランスになる前の経費のレシートはとっておく!開業費で経費化可能
仕事用の口座やクレジットカードを作成する
フリーランスになると確定申告が必須になります。
自分の事業で得たお金と出ていったお金を報告し、所得税を確定する手続きです。
つまり、確定申告では事業のお金と個人のお金を分けて計算することになります。
そのためには銀行口座やクレジットカードは個人用と事業用で分けておくのが賢明。
一緒にしておくとスーパー面倒なことになります!
以下のことをやっておくとフリーランスになった時にスムーズです。
- 事業用の銀行口座とクレジットカードを作成しておく
- 少しでも事業に関係のある支出の引き落としは事業用の口座やクレカと紐づけ
例えば電気代やスマホ代、光回線などは事業と関係のある支出なので、個人でも使っていたとしても事業用のクレジットカードで支払いにしておきます。
フリーランスにはどんな銀行口座やクレジットカードがおすすめ?
以下の記事で詳しく解説していますが、万人向けでおすすめなクレジットカードはたくさんのポイントが付く楽天カードです。
また、事業用の銀行口座でおすすめなのは、手数料無料が多く目的別口座も使える住信SBIネット銀行。
特にクレジットカードには審査があるため、ステータスの良い会社員・公務員を辞める前に作っておくのがおすすめです。
【注意点】フリーランスが選ぶべき銀行口座とクレジットカードは?
簿記3級程度の知識をつける
確定申告が自分でできるようになる他、自分の事業の収支の状態をよく理解するため簿記の知識は大事です。
単に確定申告するだけなら確定申告ソフトでできちゃうんだけど…
せっかく確定申告をして自分の事業の収支を決算できるのだから、ついでに自分の事業の経済的状況をしっかり理解できたら良くないですか?
事業の経理の基礎を学べるのが簿記3級の知識です。
この知識は社会人の一般教養のレベルと言われていて、経理の仕事だけではなくビジネスを行う上でいろいろな事に生きてくる知識です。
- どうやれば利益を大きくできるか経費の計算でわかる
- 今どのくらいお金を支出しても大丈夫かBS(貸借対照表)から計算できる
- 今後入ってくるお金や出ていくお金が把握できて見通しが持てる
など、自分でビジネスをやっていく中でお金の面での考える力の土台がつきます。
YouTubeや本でも手軽に学べますよ。
【事業の面】フリーランスになる準備
退職後のビジネスを育てておく
公務員の副業は認められていませんが、兼業申請をしたり、家族の仕事を手伝う形でなら、法律違反にはなりません。
退職前にビジネスを育てておけば退職後ゼロからのスタートにならず、大小の差こそあれ収入のある状態でフリーランスをスタートすることができます。
自分もこの状態にしてから辞めました。辞めてからのゼロスタートは性格上無理だったかも…
そもそもブログやYouTubeなどのすぐにお金が入ってこないビジネスを考えている場合、お金が入ってこない限りは副業にすらなりません。趣味です。
確定申告も年に20万円の所得(収入ー経費)にならない限りする必要もありません。
SNS運用する(アイコン作成など)
ビジネスを育てるのは抵抗があってもSNSを運用しておくことはハードルが低いのではないでしょうか。
フリーランスやってみてわかったけど、ビジネスは集客がホント大事です!
どうやったらお客さんの目に付くのか、関心をもってもらえるのか、行動してもらえるのか、SNSで練習することができます。
- Xでいいねをたくさん集められる投稿を考えてみる
- 得意なことをYouTubeで動画にして発信しチャンネル登録者を増やしてみる
など誰に(客層)、何を(商品)、どんな形で(集客・セールス)伝えるのかというのは実際にマネタイズしなくてもビジネスのいい練習になり得ます。
XやYouTubeやってて上手く行けばそれだけで将来マネタイズできちゃうこともありますよ!
また、アカウントを作成するだけでもSNSを一つ運用しておくことで、ビジネスで使えるプロフィールが運用の中でブラッシュアップされたり、アイコンも完成した状態でフリーランスがスタートできます。
フリーランスになってアイコン作るところからやるってなるとかなりスローテンポになっちゃうよね…。
先行投資としてやっておくべし…、と
開業届や青色申告承認申請書を出す
フリーランスになると開業届を提出しますが、いつ出すの?という質問をよくされます。
開業届は出したからといって職場に連絡が行くことはありませんし、出したからといって必ず確定申告をしなければいけなくなるわけではありません(青色申告承認申請書も同様)。
また、どんな事業を行うのかも決まっていなくても適当に書いて大丈夫です。
結論退職前でも後でもOK。おすすめは退職する年の1月。
開業届はあまり考えなくても良いのですが、青色申告承認申請書は締切を過ぎると税金の控除がその年受けられなくなるので、忘れずに出すことが肝要です。
開業届と青色申告届けの書き方と提出方法は以下の記事で詳しく解説しています。
【バレない?】公務員・教員をやめる人の開業届を出すタイミングと提出方法
【メンタルの面】フリーランスになる準備
フリーランス生活をお試しする
一度もフリーランスをお試しせずになっちゃうのもチョット怖くないですか?
フリーランス生活を擬似的にでもお試ししてみるのをおすすめしたいです。
「フリーランスはいつ何をやっても自由」「好きな働き方ができる」といいイメージが先行しそうなところもありますが、稼ぐためにはやりたくない仕事もやったりしますし、いつ何をやってもいいからこそダラけてしまって仕事がはかどらない、というのもよく聞く話…。
フリーランスになってから結局会社で仕事していた方が自分に合っていた、など後悔しないようにお試し期間を作りましょう。
- 数日間リモートワークで在宅で仕事してみる
- 数日〜1週間の休暇を取って副業してみる
自分の場合はコロナの自宅待機が続いたときに図らずしてこれを経験し、「なにこれ、在宅ってめっちゃいいじゃん!」となり、それがフリーランスを目指すきっかけの一つにもなりました。
1年間継続できることを見つける
フリーランスに一番大切なのは続けることです。
フリーランスは自由ですが、だからこそ強制力が働きません。
会社員は8時半までに会社に行くことが義務付けられ、その後の行うことも決まっているので、良く考えれば自分の意思が弱くても仕事を続けることができます。
フリーランスは自分の意思で飽きようが気分が乗らなかろうが仕事をし続ける継続力が求められます。
一つのことを続けることができるのか、続けられるのはどんなことなのかをフリーランスになる前に見極めておくといいよね。
自分が続けられたことはブログなど文章を書くことと、コンテンツ制作(楽譜など)です。
プログラミングやせどりなどは続きませんでした。
自分でも続けられたことが今花開く形で収入を得て生活できています。続けるとそれなりに成果はでてくるもの。続けられるかがカギです。
【退職の面】フリーランスになる準備
家族など周囲の人へ退職のことを話しておく
退職を考えている、ということだけでも早めに伝えておくのが吉です
退職してフリーランスになると伝えると、家族や友人など親しい周囲の人は驚くと思います。
一般的に考えて「何かストレスを抱えているのか」「安定を捨てて収入は大丈夫なのか」「せっかく今の会社に入ったのに」と心配だからです。
もしかしたら真剣に止められるかもしれません。
最終的に辞めるかどうかの決定は自分でするとしても、そのことで周囲の人を心配させたくはないよね…
同じく退職・フリーランス転身を伝えられるにしても、退職する1ヶ月前に言われるのと、1年前に言われるのでは全く違うと思いませんか。
退職直前に告げられたら周囲の人もそりゃヒートアップするよね。
直前に退職を告げられれば、自分が熟考して出した結論だったとしても、「もっとよく考えてからにすれば?」などと言われてしまうかもしれません。
いきなり告げられてしまった周りの人はあなたの行く末を心配してとりあえず踏みとどまるように説得してしまうのもしょうがないかもしれません。
逆に一年前など余裕のある時期だとどうでしょう。
もっと冷静に意見交換ができ、「じゃあ○月までに○○ができてればいいよ」みたいな話ができる可能性は高くなるのではないでしょうか。
自分の退職では母が一番心配していましたが、退職の2年前には「何年後かには辞めるつもりでいるんだよねー」とライトに伝えていたので、実際に辞める年にもスムーズに話ができました。
自分が辞めることを伝えたときの体験談を以下にまとめています。
【体験記】教員辞めることを家族に納得してもらう3つの方法
退職後の保険制度の加入について決める
会社員・公務員を退職した後、健康保険証をどうするのかというのを自分で選択しなければいけません。
退職の時には保険証は返納して、新しく健康保険制度に加入しなおすことになります
基本的に何もアクションを起こさなければ国民健康保険に加入することになりますが、前年度の収入によって額が決まるため、フリーランス1年目は高くなります。
会社員・公務員の健康保険制度を2年間延長できる制度「任意継続制度」があり、周りの公務員退職仲間でも活用している人が多いです。これは退職後20日以内提出必須なので忘れないようにしなければいけません。
自分は国保?任意継続?などとよくわからない方は以下の記事も参考にしてください。
公務員・教員からフリーランスになったら保険証ってどうなるの?一番お得な健康保険制度について解説
退職金の確認
退職金は勤続2〜3年くらいだとほとんどもらえないのではと思いますが、概算50万×年数くらいはもらえる(公務員)と計算できます。
自治体や職種によって詳細は異なるはずですので、「○○市 教職員 退職金」などと検索して計算表を入手するか事務員に質問するといいと思います。
自分の退職金も退職金の表で計算したものと実際の支給額がピッタリ合っていました。
退職金の金額はフリーランスになった後の資金繰りの計算に影響するので退職する年ではなくても、「今辞めるとこのくらいもらえるのかー」という程度で調べておくとイメージ付きやすいです。
退職金額の割り出しや所得税などについては以下の記事にまとまっています。
【受取額公開!】教員・公務員の退職金(自己都合)はいくら?計算方法を解説!(一覧表もあり)
ふるさと納税を満額行う
みなさんはふるさと納税をやっていますか?
毎年収めている住民税を他の自治体に選んで納税することで、手数料2,000円かかるだけでその何倍もの価値の返礼品がもらえるという仕組み。
ふるさと納税をするときに自分がおすすめするのは「楽天ふるさと納税」です。
楽天市場からふるさと納税をすることができ、楽天カードで支払い、楽天銀行で引き落とし、お買い物マラソン、5と0のつく日、などでポイントアップでき、ふるさと納税に対して楽天ポイントが付きます。
- 損するのは手数料の2,000円のみ
- 得するのは返礼品&楽天ポイント分(実質数万円分)
もはや、やらないのが損です。
結果的には住民税額に楽天ポイントがつくってことになりますね。
現役の方も是非ふるさと納税はおすすめ。
【完全解説!】公務員・教員がふるさと納税をお得で楽に始める方法【ワンストップ特例制度×楽天】
なぜここでふるさと納税がおすすめかというと、退職後の1年目は住民税がバカ高くなるから。
住民税は前年(1〜12月)の収入を元にして決まるため、フリーランス1年目で収入がたとえ0でも会社員・公務員時代の収入レベルの住民税がかかります。
フリーランス1年目の住民税額については以下の記事で書いています。
【明細公開!】公務員退職後の住民税っていくらになるのさ。
退職する前年にふるさと納税した分だけ、フリーランス1年目の住民税は安くなるってことだね。
お得な上にフリーランス1年目の住民税額がふるさと納税した分だけ安くなるので、資金繰りが安定しますよ。
まとめ フリーランスになるために今からできることをやっていこう
フリーランスになるための準備15個紹介しました。
15もいきなりやるのは無理…
と思ったかもしれませんが、一つ一つはそんなに大きなものではありません。
ゲーム感覚で一つ一つ潰して行くと、レベルアップ感が得られて良きです。
最後に15コをリストにしてまとめて置いておくので、メモなどに貼り付けてやってみてくださいね。
- 生活防衛費を貯める
- フリーランス生活の収支をチェックしてみる
- 生活レベルの許容度を確認する
- 経費のレシートを取っておく
- 仕事用の口座やクレジットカードを作成する
- 簿記3級程度の知識をつける
- 退職後のビジネスを育てておく
- SNS運用する(アイコン作成など)
- 開業届を出す
- フリーランス生活をお試しする
- 1年間継続できることを見つける
- 家族など周囲の人へ退職を伝える
- 退職後の保険制度の加入について決めておく
- 退職金の確認
- ふるさと納税を満額行う
今回は以上です!