
教員やめるためにフリーランスで稼いでやっていきたいんだけど、開業届って絶対に出さなきゃいけないの?いつが出すタイミング?
こんな人のための記事です。
教員をやめたあと、フリーランスとして活躍していく場合は個人事業主となります。フリーランスの場合、税務署に「開業届」を出し、所得税を納める準備をする必要があります。
- 副業を始めるまでに開業届を出さなければいけないのか
- 教員や公務員を辞めてフリーランスになった後に開業届を出すのか
タイミングがよくわかりませんよね。



私は教員を退職する年の1月に開業届を提出しました!
この記事ではフリーランスになるために副業を始めたい公務員や教員の方のために
- いつ開業届を出せばいいのか
- 開業届の提出方法
の2点を解説していきます。
とりあえず今すぐに開業届を出したい方へのおすすめは「マネーフォワード開業届」か「freee開業」です。無料で簡単に提出まで進むことができますよ。
開業届を出すとどうなるの?


開業届けとは個人事業の開始を税務署に報告することです。営利を目的に自分で仕事を始めた場合には1ヶ月以内に開業届を税務署へ提出することと決められています。つまり副業であろうと開業届は出さなければいけません。
しかし出さないことによる罰則はありません。



開業届を出したら会社にバレるんじゃ…
開業届を提出した税務署から会社等に通知がいくようなことはないので、開業届を出したことによる会社バレのリスクはありません。



私も教員として勤務している間に開業届出してしまいましたよ。
また、年に1回ハンドメイド品などをフリーマーケットに出店することや不用品をオークションサイトで販売することは事業とみなされず(継続的な事業であることが「個人事業」とみなされる)、開業届を出す必要はないようです。



開業届出したら絶対に毎年確定申告しなきゃいけないの?
開業届を出したからといって必ずしも確定申告が必要なわけではありません。開業届を出したとしてもその年の所得が20万円以内であれば確定申告の必要はありません。
所得とは、(売上ー経費)で計算されます。ハンドメイド商品がその年に30万円売れても、材料費や道具に20万円を使っていた場合は所得は10万円になり、この場合は所得が20万円以内なので、確定申告は必要ないことになります。副業の場合も同じ考え方です。
開業届を出したからといって、すぐに何かをやらなくてはいけなくなる、やることが増える、といったものではありませんね。
公務員・教員が開業届を出すタイミング


開業届は扶養に入っていないならすぐに出すのが適
結論から言うと、「副業を始めたり、仕事を辞めてフリーランスになることを決めたときにすぐに出しておく」のが正解です。
開業届を出すことで手続きが煩雑になったり、費用がかかってしまうなどの不利な点はありませんし、メリットの方が大きいです。



ただし扶養に入っている人は開業届を出すと外れてしまうかもしれないから注意!
開業届を出すメリットをみていくことでなぜ開業届を早く出した方が良いのかが理解できます。ここからは開業届を出すメリットとデメリットをまとめておきましょう。
開業届を出すメリット
- 所得税控除が受けられる(青色申告&電子申告で最大65万円)
- 赤字を繰り越すことができる(青色申告の場合)
- 事業用の銀行口座をつくることができる
所得税控除が受けられる
その年の利益を確定申告することで税金の額が決まりますが、開業届を出し確定申告することで事業で得た利益(所得)にかかる税金を軽くすることができます。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の二つの方法があり、青色申告の方が複雑な報告をせねばならないのですが、その代わり税額控除の額が大きくなり、税金が安くなります。



今年結構稼げそうだから嬉しい!
こんな人は確定申告の必要が出てきてさらに所得税の支払いも必要になるので、直前で焦らないように早めに出しておいた方が良いですね。(青色申告には提出の期限もあるので要注意です)
赤字を繰り越すことができる
また青色申告には他にもメリットがあり、もし1年の事業が赤字になってしまった場合は次年度に赤字を繰り越すことができるため、次年度の利益から赤字を相殺できます。ここでも税額を安くできます。



今は確定申告ソフトを使えば青色申告の確定申告も比較的簡単にできるから、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出している人がほとんど。
事業用口座を作ることができる
フリーランスは自分用のお金と事業用のお金を分けておかないと確定申告などで計算がややこしくなります。通常銀行口座が作れるのは1つの銀行に対して1つですが、開業届を出すと、一つの銀行に対して個人用と個人事業用の2つの口座を作ることができます。
私の場合は楽天銀行で個人口座と事業用口座2つ作り、事業の収入は事業用口座に入ってくるように設定しました。
開業届を出すデメリット
- 開業届自体を出す手間
- 扶養に入れなくなる可能性あり
開業届を出すのが手間と感じる人もいるかもしれませんが、開業届の提出は難しくありません(提出方法は後述します)。
また、自分が配偶者等(扶養者)の扶養に入っている場合は、扶養者の勤め先によっては開業届を出した場合扶養から抜けることになる可能性があるので、勤め先に確認が必要です。
またこの他に一般会社員のデメリットとして、退職をした時に開業していると「失業給付が受けられくなる」のですが、公務員や公立学校の教員には失業手当はないため、これは気にしなくて大丈夫です。
開業届の提出方法


開業届を出す前の準備
- マイナンバー
- スマホやPCなどの通信環境(できれば)
- 屋号(お店の名前やペンネーム等)が必要なら決めておく
- 職業・事業内容を決めておく
開業届にはマイナンバーを書く欄があります。
マイナンバーが分かっていれば「マイナンバーカード」は開業届の段階では必要ありません。しかし青色申告の控除枠を最大で活かすのであれば今後の確定申告で電子申請が必要です。その時にはマイナンバーカードが必須になるので、今の段階で作っていない方は今後用意するようにしましょう。
屋号とは、事業を営む際の会社名になります「○○商店」「○○企画」「オフィス○○」などや、個人でのペンネームなどもこれにあたります。これは仕事をする際にお店や会社を覚えてもらいやすくするなどの便宜的な設定で、屋号を決めなくてもOKですし、変更も自由(確定申告時に新しい屋号を記入すれば変更は完了する)です。
職業・事業内容を開業届に記載することになりますので、自分が何で収入を得るのか決めておきます。事業内容の欄には「できるだけ具体的に記入します」と書かれていますが、現段階で決まっているものだけ書けば大丈夫です。(こちらも変更は確定申告の時に新しく記入することで可能です)
ただし、業種によって支払う「個人事業税」が変わってきますので自分の事業の税率などをあらかじめチェックしておくと良いでしょう。
ライターや芸術家、システムエンジニアには個人事業税がかかりませんが、写真業・飲食店・広告業・美容業・デザイン・コンサルタントなどは5%、あんま・医療系は3%の事業税がかかります。以下の表でチェックしてください。


東京都主税局HPより
開業届はどこでもらえるの?


開業届は管轄の税務署でもらうことができますし、国税局のHPからダウンロードすることもできます。



自分で開業届を書くってできるのかしら…
しかし、開業届をイチから書こうとすると細かいところで「どう書くのか・書くのか書かないのか」で迷ったりします。
一番のおすすめは完全無料で使える「開業届サイト」で作成し提出することです。
- 無料で開業届が作成できる
- 質問に答えていけば作成可能で難しくない
- 青色申告承認申請書も同時に作成可能
- 管轄の税務署の検索もでき、宛名印刷までしてくれる
おすすめは「マネーフォワード開業届



私はマネーフォワードを使って作成し、郵送で提出したので、その方法を紹介します!
開業届を作成しよう
マネーフォワード開業届
以下のような手順で開業届が作成できます。


画面の質問にしたがって回答していくだけで、開業届ができあがる仕組みとなっています。
以下のような質問に答えていき、開業届を作成します。
- いつから事業を開始する(した)か
- 職業(自分は「コンテンツクリエイター」と記入)
- 仕事の概要(自分は「執筆業・作編曲業」と記入)
- どこで働くか(自分は自宅を選択)
- 家族や従業員に給与を支払うか
- 確定申告の種類(青色申告55万円控除がおすすめ)
- 申請者情報(氏名・住所等)
- 収入の種類(事業所得を選択)
- 屋号をつけるか、その名前(自分は「コギト」を屋号に)
- 税務署を選択(住所から自動で選択されています)
ここまでの質問に答えれば開業届(と青色申告承認申請書)が出来上がっていますので、書類をダウンロードしてコンビニなどでプリントアウトします。


マネーフォワード開業届で作成すると以下の4枚が印刷されます
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 個人事業の開業・廃業等届出書(控え)
- 所得税の青色申告承認申請書
- 所得税の青色申告承認申請書(控え)
簡単ですね!



スマホでもできちゃいますよ。
開業届を提出しよう


押印とマイナンバーの記入(開業届の1枚のみ)をして提出の準備は整いました。
控えも一緒に提出しますので忘れないようにしましょう。
開業届には以下の提出方法があります
- 税務署に持参して提出
- 郵送で提出(自分が取った方法)
- オンラインで提出(Macだと難しい…)
税務署が近く提出しにいくことが簡単なら税務署に持って行くのが一番簡単です。その場で不備があれば指摘してもらえますし、控えもその場でもらえます。
税務署が遠かったり平日に時間が取れないなどの場合は郵送して控えを返送してもらいます。自分としてはこれが一番楽な方法だったので、郵送をしました。
e-taxを使ってオンラインで提出する方法もありますが、e-taxを使って開業届を出す方法はWindowsパソコンでないとできないのでMac使いの私はできませんでした。



オンラインって楽かと思いきや、挫折しました…
提出時に用意するものは以下です。
- 開業届と控え、青色申告申請書と控えの4枚セット
- 本人確認書類
- 開業届と控え、青色申告申請書と控えの4枚セット
- 本人確認書類のコピー
- 83円切手を貼った返信用封筒
本人確認書類とは?
マイナンバーカードがある→マイナンバーカード
マイナンバーカードがない→「マイナンバーが確認できる書類」と「運転免許証」など
提出後受理されれば晴れて開業です!
税務署で出した場合はその場で控えがもらえますし、郵送の場合は返信用封筒で控えが送られてきます。





控えは後々個人事業用口座などを作る時に必要になりますのでなくさないように!
「個人事業開始申告書」も提出するの?
税務署に提出する「開業届」(所得税関係)のほかに、本来「個人事業開始申告書」(個人事業税関係)を県税事務所に提出しなければならないそうです。
しかし、これは提出しなくても罰則がなく、確定申告時に情報が税務署から県税へ回って、個人事業税の支払いが必要な個人には通知がいくようになっています。



私は個人事業税対象の業種ではなさそうなので出してません。
まとめ 副業でも稼いでなくても赤字でも開業届は出すべし


開業届は副業を始めたり、フリーランスになることを決意した時、すぐに出しておいて損はないと言えます。逆に出さないことによるデメリットが生まれる場合もあるので、面倒がらずに出しておくのが正解です。
事業を始めた場合に開業届を出すのは義務ですが、以下に場合分けして考えてみると、開業届は出すことメリットが多く、デメリットもあまりないことに気づくでしょう。
- 事業開始したけど所得がゼロor20万円以下の場合は、開業届を出していても税金支払いの必要なし、確定申告も必要なし。開業届を出したことによる手間は増えません。
- 事業が赤字になってしまった場合は次年度に赤字を繰り越して所得税を安くすることができます。
- 20万円以上稼いだ場合は開業届を出して確定申告が必要になりますし、税金支払いの必要もでてきます。青色申告は事業開始から2ヶ月以内という期限がありますので出し忘れると税金の控除をその年受けられなくなります。
前述したように扶養に入っている人だけは注意ですが、上のようにどの場合を考えても開業届を出しておくことに不利はありませんね。



フリーランスはいきなり稼げるようになったりするので、焦らないようになるべく早く出しておくのが吉です。
開業届を出したからといって会社に通知がいくことはないのでそこも安心。
手続きも難しくありませんし、開業届を出せば「これから稼ぐぞ!」という気持ちも生まれます。副業を始める時・フリーランスになることを決めた時は早めに出しておきましょう。
マネーフォワード開業届



どっちがいいとかある?
結論どちらでも大丈夫。
freee開業はWindowsPCを使って電子申請ができるので、もしどうしても電子申請で開業届を出したい場合はfreeeがおすすめですが、その他は特に差はありません。
また、マネーフォワード開業届を使ったからといって、確定申告ソフトなどをマネーフォワードで契約しなければいけなくなる、という縛りもまったくありません。



開業届を出すと「事業主になった!」「よしやるか」というモチベもアップするので頑張って提出しちゃいましょう!
では今回は以上です。
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