この記事では青色申告するフリーランス対象の確定申告ソフト「freee(スタータープラン)」を紹介します。

簿記がわからない初心者に特化しているのが売り。
確定申告ソフトの大手にはfreee会計以外にもマネーフォワード クラウド確定申告・やよいの青色申告オンラインがありますが、freeeは2番目のシェアです。



オシャレでメルカリっぽい使いやすさがある。
この記事では私コギトと同じ以下のような方を想定してお話していきます。
- 複雑な会計(実店舗・雇用)がない
- 個人事業主(法人ではない)
- 青色申告をする



個人でも法人でもどのプランでも会計ソフトの使用感は基本同じです。
フリーランスだけでなく、会計ソフトのブランドをどれにした方がいいのかなと迷っている人は是非この記事を参考にしてください!
実際の画面などをお見せしながら、初期設定から確定申告までの一連の作業の使い勝手や機能をレビューしていきます。
あなたが確定申告ソフトを選ぶ際の参考になれば嬉しいです!
マネーフォワード・弥生・freee、3社を使ってみて比較した記事もありますので参考にしてください。
【徹底比較】個人事業主の確定申告ソフト3社の違い・どれがおすすめ?
確定申告ソフトは無料じゃダメなんですか?
【無料ソフトでもOK!?】フリーランスに最適な確定申告(青色)ソフト
freee会計 プランはどれがいい?


freeeには「スタータープラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」があります。
プラン | 月額(税込み) | 年額(税込み) | 機能 |
---|---|---|---|
スターター | 1,958円 | 12,936円 | 基本的な機能 |
スタンダード | 3,278円 | 26,136円 | スターター+消費税対応・レシート読み取り無制限 |
プレミアム | なし | 43,780円 | スタンダード+電話サポート |
会計が複雑でないフリーランスにとっては「スタータープラン」で十分かと思います。



マイクロ法人などの法人使用だと別で契約(freee会計(法人))が必要です。
スタータープラン以外の上位プラン
「スタータープラン」から「スタンダードプラン」にするとレシートの読み取りが無制限になり、チャットサポートも優先対応、消費税申告にも対応します。
さらにプレミアムプランにすると電話サポートなども追加されます。



マネーフォワードと大体似たようなプランの設計だね。
インボイスに登録している人はスタンダード以上のプランに登録しなければ消費税申告ができません。
最安プランで唯一消費税の対応をしている会計ソフトは「やよいの青色申告オンライン」です。
やよいの青色申告オンライン(セルフプラン)のレビュー記事はこちら
freee・スタータープラン基本情報



freee会計のスタータープランの基本情報はこんな感じ!
月払い価格:1,958円(税込み)
年払い価格:12,936円(税込み)
無料お試し期間:30日
対応PC:Windows○、Mac○
口座・クレカ連携:できる
確定申告書作成:できる
freeeスタータープランはマネーフォワード・やよいに比べて高額です。



最安のやよいの青色申告オンラインと比べると年額で1,600円以上の差!
料金だけで言えば一番おすすめできない会計ソフトとなってしまいます。
無料期間は30日あるので、マネーフォワードと同じですね。
freeeの使用感・機能
ここからはfreee(スタータープラン)を実際に使ってみたレビューをしていきます。



フリーランスの多くが使いそうな機能を見ていきましょう。
ホーム画面と初期設定


アカウント登録を済ませるとこのようなホーム画面になります。
freeeの一番の特長は「画面の見やすさ・直感的な操作のしやすさ」です。



メルカリみたいで見やすい!
「やること」リストや、認証の未完了など、通知がしっかり表示されるのがわかりやすいです。
設定はホーム画面の「先に設定する」や、左のメニューバーの「設定メニュー」から行えます。



最初にやることがわかりやすくなっています。
口座の連携
有料会計ソフトならではの機能「口座・クレカの連携」は全員使う機能ですね。


freeeの口座連携は別ページに遷移したりせず(弥生はする)、煩わしさも少なく連携が進みました。



モバイルSuicaなども問題なく連携可能です!
仕訳の入力



年間通じて一番作業が多い「仕訳」の作業はこんな感じです。
自動仕訳の操作
事業用の口座やクレジットカードを連携すると、ホーム画面にタスクが表示されます。


「やること」の部分をクリックすると、自動仕訳の登録画面になります。


口座やクレカの取引を自動で吸い上げてくれるので、数字や日付を入力する必要はなし。どういう種類の取引か(勘定科目)を選んで登録を押せばOK。
勘定科目がよくわからないと言う人に説明がポップアップで表示されるのも唯一でわかりやすいです。


逆に仕訳に慣れてくるとこの説明書きが却って邪魔(カーソルの移動距離が長くなる)になるというデメリットも生じるので一長一短なところはあります。



勘定科目は1年経てば慣れるし、ほぼ同じものしか使わなくなりますしね。
- 勘定科目などをプルダウンで選ぶ(AIが推測してくれる)
- 登録をクリック
メモなどを残したい場合などや細かく確認したければ詳細入力画面へも飛べるので便利(やよいはできない)。



AIで取引を記憶するので、だんだんと同じ取引は自動で正しい勘定科目が表示されるようになり、ワンクリックするだけになっていきます。
手入力の画面(freeeの最大の弱点はココ)
手入力は「取引の登録」から行います。
まずは入力画面が現れます(マネーフォワードの「簡単入力」と似ている)。


- 収入・支出を選択
- 口座を選ぶ
- 勘定科目などを選ぶ
- 日付を入力
- 金額を入力
- 確認して登録をクリック



この仕訳の手入力画面にfreeeの最大の弱点があると思っています。
仕訳形式プレビューは表示されるのですが、仕訳表にダイレクトに入力できる画面がfreeeにはありません。



仕訳表で入力がないと何がダメなの?
仕訳表を使った入力画面がないと、「売上の一部が手数料」などという2行にまたがる仕訳などの場合、仕訳登録を2回しなければいけなくなります。




上のやよいやマネーフォワードのように一発で仕訳ができないので、複雑な仕訳がより複雑になります。
このような複雑な仕訳の場合はネットなどで調べると思いますが、仕訳がわかってもfreeeでどう入力すればその仕訳になるのかがわからない、といったことも起こります。



①仕訳を調べて②freeeでどう入力するかも調べなきゃいけない、という地獄を見る可能性。
freeeでも仕訳表での入力を実装すれば他は使いやすいのにな、というのがかなり残念なポイント。



仕訳がわかってる人は仕訳の表が結局一番わかりやすいよね。
家事按分
自宅で仕事をする人が電気代などを「個人使用」と「事業使用」で分けて一部を経費にできるのが按分設定です。
按分の設定はfreeeだと簡単です。
確定申告メニューから「家事按分」を選んで、勘定科目(通信費など)と品目(携帯電話代など)を設定し、按分の%を選べば終わりです。


按分登録がなされると、その時点で勝手に按分の決算仕訳(年度末に行うもの)もやってくれているのでマネーフォワードと違って登録し忘れがないのがラクです。
- 品目(携帯電話代など細かい項目)と%を決めて按分をを登録する
- 設定した補助科目で仕訳する



登録さえしておけば後は勝手にやってくれるのね。
固定資産の登録
パソコンなど10万円以上のものを購入すると基本的にその年に全て経費にできません。決められた耐用年数で「減価償却」を行うことになります。
freeeは「購入時の仕訳」と「固定資産台帳の登録」の2つを処理を行う必要があります(マネーフォワードと同じ)。
- 「備品」などで購入の仕訳をする
- 「確定申告」→「固定資産台帳」の画面から固定資産の追加設定をする



どっちかだけやって終わったつもりになりがち。


これで以下のように減価償却だけが仕訳されました。


スマホ使用はfreee圧勝
freeeでは、「freee会計」アプリで、仕訳の手入力や口座・クレカの自動連携仕訳、レシート取込入力などを行うことができます。
レシート読み取り
レシート読み取り機能は精度が高く、ちょっと曲がったレシートも割にしっかり認識してくれました。
日付と金額はしっかり入力されていて、スマホ完結で「登録」を押せば仕訳が登録します。




PC画面にもすぐに反映されていました。





でもスタータープランだと月5枚までなんだよね。
スタータープランでレシート撮影仕訳ができるのは月5枚まで。それ以上使おうと思うとスタンダードプランにグレードアップが必要です。



まあPCで一気に紙から入力したほうが速いですよね。
スマホで仕訳
連携した口座・クレカの取引で未仕訳なものをサクサクスマホで入力していくことができ、これはfreee圧勝。


項目を確認して「登録」をタップすればすぐ次の未仕訳のものが出てきて、サクサク仕訳を進められます。



外出先でポチポチ入力できちゃうね。
スマホで仕訳はスタータープランでも無制限でできるみたいです。
ちなみに仕訳の手入力はスマホではおすすめしませんがこんな画面になっています。


請求書・領収書発行
freee会計内で領収書を作成することができるのでスムーズに作業できます。


請求書に関してはマネーフォワードは相手先が15件まで、やよいは月10件までなどの制限がある中、freeeには発行の制限がないのが良いところ。
名前や住所・振込先を登録しておくことで作成時に自動表示してくれるので便利。
宛名の直接入力はできない(取引先を登録するような設定になっている)し、空欄で発行することもできないのが使い勝手が悪いところ(マネーフォワードでもやよいでも同じ)。
テンプレート数は少なく、請求書は最大4のテンプレートから選べます(領収書は2パターンまで)。


決算書作成と確定申告書の送信
freeeの確定申告画面はよくわからない人向けにとてもフレンドリーにできています。



質問形式で答えていけばOKになっています。


マネーフォワードでは忘れがちな家事按分や、ふるさと納税の申告も確認できる設計になっています。


確定申告の送信までfreeeで全部やってしまえるのもうれしいところ。


ただし、「あれ、マネーフォワードや国税庁のソフトでは入力したあの項目がないな…」という一抹の不安が残りました。
細かい設定にはあえて対応していないのかもしれません。



freeeの確定申告で外国税額控除の申請は明細書を自分で作成しなければいけません。
配当控除の自動計算や外国税額控除の明細書作成までできる「確定申告書作成コーナー」で確定申告!
フリーランスの確定申告の手順完全まとめ
サポート体制
freeeのスタータープランではわからないことがあれば、「?」マークをクリックして「チャットボット」でかんたんにAIに質問できたり、人間オペレーターとチャットのやり取りをすることもできます。


サービス内容的にはマネーフォワードのパーソナルプランと同じなのですね。
ただしfreeeは一旦AIに質問してやりとりしないと人間オペレーターには繋がらないシステムになっています。



マネーフォワードはすぐに人間オペレーターと会話できるようになっているからサポートはマネーフォワードの勝ちかな。
解約
freeeの解約は「設定」の画面から簡単に行えます。





退会前に結構長めのアンケートに回答せねばならないのがちょっと面倒。
解約をしてもアカウントの削除をしなければ今まで行った仕訳などのデータは保管されているので、再契約すれば続きから使うことができます。
【評判・口コミ】freee会計を使用している人の感想
ここではSNSからfreeeを使って確定申告をした人の評判をピックアップして紹介します。
断然freeeがオススメです! 分かりやすさが全然違います〜 freeeはちょっと込み入った仕訳を入れようとすると使いづらいですが、基本の申告するだけならfreeeが良かったです。


私はfreeeです 使いやすいと思いますが、最近freeeからの営業電話がおおいのでそこだけちょっと面倒ですねぇ。


freeeとマネーフォワードの両方のソフト使ってますが確定申告に良いのはfreeeですね。簡単です。マネーフォワードは貸方借方とか知識ないといけない。しかし操作はマネーフォワードが簡単、値段も安い 一括登録がマネーフォワードは安いプランでできるけどfreeeは10倍プランにしないと駄目。


総括:freee会計(スタータープラン)がおすすめな人
freee会計(スタータープラン)は以下のような人におすすめです。
- 会計業務が苦手でどうしようもない人
- 外にいることが多く、スキマ時間を活用したい人
freeeは「どうしても会計などが苦手」な人になるべく抵抗感がないように作られています。
メルカリのようにポップで使いやすい見た目や操作感は唯一で、どこに何があるのかはマネーフォワードややよいよりもわかりやすかったです。
専門用語をなるべく出していないのも初心者にとっては嬉しいですね。



自分には会計は絶対無理!っていう人は選ぶといいかもね。
会計が特に苦手で、ある程度稼げている人は税理士ドットコムなどを使って税理士さんに確定申告を頼んでしまうのも一案かもしれません。



苦手な確定申告をお金払って任せてその分稼ぐ方がいい人もいますよね。
スマホアプリは便利
freeeが他と群を抜いて良かったのはスマホアプリです。
出先が多くて、スキマ時間が多い人はスマホでポチポチと仕訳を進めていけるので便利だと思います。
初心者向けならではのデメリット
前述しましたが、初心者向けに作られたことで、複雑な仕訳が必要になった時の効率や使いやすさには難があるなと思いました。



仕訳でドツボにハマる可能性がある…
仕訳表のままの入力ができるようになればかなりおすすめと思えるんですけどね…



以上の点と値段の高さを飲み込むことができるならfreeeを選んでもいいのかな、と思いました!
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