この記事では青色申告するフリーランス対象の確定申告ソフト「やよいの青色申告オンライン(セルフプラン)」を紹介します。

業界シェアナンバーワンのやよい。実力はいかに。
確定申告ソフトの大手には弥生会計以外にもマネーフォワード クラウド確定申告・freee会計がありますが、弥生会計は個人事業主のシェアナンバーワン。
シェア率は2024年現在50%を超えているので、フリーランスの2人に1人は弥生会計を使っていることになります。



最大手ならではの安心感がある。
この記事では私コギトと同じ以下のような方を想定してお話していきます。
- 複雑な会計(実店舗・雇用)がない
- 個人事業主(法人ではない)
- 青色申告をする



個人でも法人でもどのプランでも会計ソフトの使用感は基本同じです。
会計ソフトのブランドをどれにした方がいいのかなと迷っている人は是非この記事を参考にしてください!
実際の画面などをお見せしながら、初期設定から確定申告までの一連の作業の使い勝手や機能をレビューしていきます。
あなたが確定申告ソフトを選ぶ際の参考になれば嬉しいです!
マネーフォワード・弥生・freee、3社を使ってみて比較した記事もありますので参考にしてください。
【徹底比較】個人事業主の確定申告ソフト3社の違い・どれがおすすめ?
確定申告ソフトは無料じゃダメなんですか?
【無料ソフトでもOK!?】フリーランスに最適な確定申告(青色)ソフト
やよいの青色会計オンライン プランはどれがいい?


やよいの青色申告オンラインには「セルフプラン」「ベーシックプラン」「トータルプラン」があります。
プラン | 月額(税込み) | 年額(税込み) | 機能 |
---|---|---|---|
セルフ | なし | 11,330円 | 基本的な機能 |
ベーシック | なし | 18,975円 | セルフ+チャット・メール・電話サポート |
トータル | なし | 33,000円 | ベーシック+確定申告相談・仕訳相談可能 |
会計が複雑でないフリーランスにとっては「セルフプラン」で十分かと思います。



マイクロ法人などの法人使用だと別で契約(弥生会計オンライン)が必要です。
最安プランでも消費税申告ができる!
弥生のいいところは最安のセルフプランでも「消費税申告」ができるところ。



マネーフォワードもfreeeにも最安プランは消費税に対応していません。
インボイスに対応しているフリーランスはやよいの青色申告オンラインが選択肢のメインになりそうですね。
月契約はできない
やよいの料金のデメリットは年間契約のみで、月契約がないこと。契約するなら必ず年契約になります。
確定申告の時期の1,2ヶ月だけ契約、ということはできません。



1年分一度に作業するのは基本おすすめしませんが…
セルフプラン以外の上位プラン
「セルフプラン」は最低限のプランであり、「ベーシックプラン」にアップグレードするとチャット・メールサポート・電話サポートまで受けることができます。



チャット・メールサポートはマネーフォワード・freeeなら最安プランでもついていたのにな…
さらに「トータルプラン」にすると、確定申告相談や仕訳相談のサービスがプラスされます。
やよいの青色申告・セルフプラン基本情報



やよいの青色申告オンラインセルフプランの基本情報はこんな感じ!
月払い価格:年間契約のみ
年払い価格:11,330円(税込み)
無料お試し期間:1年間
対応PC:Windows○、Mac○
口座・クレカ連携:できる
確定申告書作成:できる
やよいの青色申告セルフプランはマネーフォワード・freeeの最安プランと比較しても最安です。
さらに他の2社の無料お試し期間が1ヶ月なのに比べて、やよいの無料お試しは1年間という太っ腹っぷり。王者の風格(!?)



フリーランス1年目は全く無料で確定申告できちゃうね!
やよいの青色申告オンラインの使用感・機能
ここからはやよいの青色申告オンラインのセルフプランを実際に使ってみたレビューをしていきます。



フリーランスの多くが使いそうな機能を見ていきましょう。
ホーム画面と初期設定


アカウント登録を済ませるとこのようなホーム画面になります。初期設定は「設定メニュー」から行えます。



最初にやることがわかりやすくなってるのがいい。


口座の連携
有料会計ソフトならではの機能「口座・クレカの連携」は全員使う機能ですね。


口座やクレジットカードを連携する時は「口座・カードの設定」ではなく、「スマート取引取込」から行います。
カードの連携設定は画面やページの遷移が多くて他のソフトに比べてちょっとやりにくいな…



でも連携した後にカードや口座を「事業用」「個人用」に設定できるのが工夫したところ。
「事業主借」の設定が簡単にできました(マネーフォワードは結構わかりにくかった)。





モバイルSuicaなども問題なく連携可能です!
仕訳の入力



年間通じて一番作業が多い「仕訳」の作業はこんな感じです。
自動仕訳の操作
やよいの青色申告オンラインはマネーフォワードやfreeeと違って、ホーム画面にタスクが通知されません。



確定申告ソフトのタスク表示はかなり便利だから、ないのは残念…
自分で「スマート取引取込」の画面を開いて未登録の仕訳がないかチェックします。


口座やクレカの取引を自動で吸い上げてくれています。
取引の種類(勘定科目)を選んで登録「する」を選んでいって、全てチェックした後、「表示されている全ての取引を確定する」を押せば登録完了です。
- 勘定科目などをプルダウンで選ぶ
- 取引の登録「する」を選ぶ
- 「取引を確定する」を押す
勘定科目を選ぶプルダウンは説明があってわかりやすく、しかも見やすいです。





でも自動仕訳は他社よりも手数が多くなります。この画面から詳細の設定ができないのも使いにくいです。
せどりなど膨大な連携データを処理していく人にはきついかもしれません。
また「スマート取引取込」の画面は別画面で開くような設計になっていて、この2つの画面間の移動などの動きももっさりしています。



同じ条件下で使っててもやよいだけなぜか遅い。



老舗の会計ソフトだからいろいろツギハギ設計なのかもね…
手入力の画面
手入力は「かんたん取引入力」か、「仕訳の入力」で行います。
「かんたん取引入力」


入力のフローは以下です。
- 収入・支出を選ぶ
- 日付を入力
- 勘定科目などを選ぶ
- 金額を入力
- 確認して登録をクリック



シンプルで無駄はない使い勝手。
「仕訳の入力」
本当に仕訳の表そのままのような、簿記を理解している人にとっては最もわかりやすい画面。


入力すると同じように結果が画面の下に表示されます。





シンプルだけど、機能から言うとマネーフォワードが勝ちますね。
勘定科目を打ち込むときにマネーフォワードでは「せったい」と打ち込むと「接待交際費」の勘定科目が予測表示されるので勘定科目を入力が速いです。
弥生では「接待」とちゃんと漢字変換までしないと予測表示がされません。



細かいことだけど、こういうところで使いやすさの差が出るよね。
家事按分
自宅で仕事をする人が電気代などを「個人使用」と「事業使用」で分けて一部を経費にできるのが按分設定です。
やよいの家事按分は一年の最後(確定申告画面)でまとめて行う設計になっていて、最初ちょっとどこにあるのかわかりにくかったです。



マネーフォワードやfreeeみたいにリアルタイムで計算してくれた方がわかりやすいかな…


- 仕訳の補助科目(携帯電話代など細かい項目)を登録する
- 設定した補助科目で仕訳する
- 確定申告時に按分の設定をする



これは初めての年は絶対手間取るぞ…。
固定資産の登録
パソコンなど10万円以上のものを購入すると基本的にその年に全て経費にできません。決められた耐用年数で「減価償却」を行うことになります。
やよいでは「高度なメニュー」の「固定資産の登録」から行いますが、処理自体はマネーフォワードやfreeeより手数少なくできてやりやすかったです。
- 「高度なメニュー」→「固定資産の登録」の画面から固定資産の情報を入力







質問に答えて行く感じで、購入も減価償却の仕訳も一度にやってくれるから便利!



固定資産はやよいが一番やりやすいし簡単でした!
スマホ使用
結論から言うとやよいのスマホアプリは全く使えないです。
- 自動連携(口座・スマホから情報取込)からの仕訳入力ができない
- 複数のアプリをインストールして使う必要がある
- レシート取込がスマホで完結しない
まず、freeeでは特に便利だった自動連携仕訳がスマホではできません。
アプリも仕訳の入力のための「弥生申告」アプリとレシート読み取りのための「弥生レシート取込」アプリに分かれています。



使おうと思うといろいろインストールが必要でアプリが散らかる…
レシート読み取り
レシート読み取り機能は「弥生レシート取込」というアプリを使用。
精度は微妙で、freeeやマネーフォワードのアプリと同じ条件で撮影したレシートの金額が間違って表示されることがありました。
しかも、スマホ内で勘定科目を選ぶことができず、いちいちPCで仕訳を確定させなければならないのも使えない点。







今のところ実用段階ではないみたいね…。今後の開発に期待。
スマホで仕訳
スマホで仕訳をしたい場合は「弥生 申告」というまた別のアプリを使用。前述した通り口座とクレカの自動連携はできないので、手入力と、すでに行った仕訳の変更のみが可能です。





やよいを選ぶならPCのみ使用、ってことですね。
請求書・領収書発行
やよいでの請求書・領収書はこれまた別サービスの「Misoca」を導入する必要があり、ここもちょっと面倒。



全くの別サービスなので、弥生とは別にアカウントの作成やログインが必要。


請求書は月10通まで無料、見積書・納品書・領収書作成は無料で無制限に作成可能なのは○。
名前や住所・振込先を登録しておくことで作成時に自動表示してくれるので便利。
宛名の直接入力はできない(取引先を登録するような設定になっている)し、空欄で発行することもできないのが使い勝手が悪いところ(マネーフォワードでもfreeeでも同じ)。
請求書は14のテンプレートから選べるのは他と比べて多めです(領収書は2パターン)。


決算書作成と確定申告書の送信
やよいでは質問に答えていく形式で確定申告を進めることができてユーザーフレンドリーな設計(freeeと同じ)。




該当する項目に「はい」を選ぶと、その部分だけの入力が表示されるようになっているのでどこを入力すればいいのかがハッキリわかります。





説明も丁寧で親切です。
画面に沿って進めていけばもれなく確定申告の項目を入力し、確定申告書の送信までたどり着けます。



確定申告書の作成については一番安心感あるかもです。


やよいの確定申告からそのまま確定申告を送信して完了させることもできます。



やよいでは配当控除は自分で計算した金額を入力する必要があります。また、外国税額控除の明細書は自作する必要があります。
配当控除の自動計算や外国税額控除の明細書作成までできる「確定申告書作成コーナー」で確定申告!
フリーランスの確定申告の手順完全まとめ
サポート体制
マネーフォワードやfreeeの最安プランでは、AIチャットボットや、人間オペレーターによるメール・チャット質問ができますが、やよいの最安プランのセルフプランにはこのようなサポートはありません。



読んで字のごとく、セルフプランだね…
解約
やよいの青色申告オンラインの解約は「契約内容の確認・変更」から簡単に行えます。
無料プランへ移行(契約停止)すれば、3年間であればデータは保管されているので、再契約すれば続きから使うことができます。
やよいは無料プランにするとログインができなくなり、仕訳や確定申告書のダウンロードができなくなるので注意です。



やりにくいのは、月・年契約の残り日数があっても解約した時点でサービスが使えなくなること。
契約途中で解約しても返金はなし。これはマネーフォワードも一緒です(freeeは解約しても残り日数は使用できる)。
- 使わなくなった後で
- 更新される前に
タイミングを見計らって解約をしなければいけません。
【評判・口コミ】やよいの青色申告を使用している人の感想
ここではSNSからやよいを使って確定申告をした人の評判をピックアップして紹介します。
長年やよいの青色申告です。 慣れるまで多少かかりますが提出前のウィザードで細かくチェックしてくれるので安心して使えます。 動作が重たいのは難点かも。


freeeの確定申告が全ッ然わからんので 一番使いやすいと噂のやよいさんで急遽やってみることに…
まず画面がとても見やすい!


総括:やよいの青色申告オンラインセルフプラン)をおすすめする人
やよいの青色申告オンラインは以下のような人におすすめです。
- 周囲にやよいのユーザーがいる人
- 最安で確定申告ソフトを使いたい人
- 消費税申告を最も安く済ませたい人
老舗ソフトであるデメリット
やよいの青色申告オンラインはシェアはトップですが、「ソフトとしての歴史が長い」からなのかな、という感じがします。



画面には公民館のような独特の古くさい哀愁がただよっています。
推測ですが、歴史が長い分いろいろと機能を追加してきたせいか、全体的に動きが思い感じがします。
また、マネーフォワード・freeeと同時に使ってみましたが、チュートリアル動画などを一番見なければいけなかったのもやよいでした。



ポップアップ表示とかは基本ないし、どこに何があるのかちょっとわかりにくい…。
もちろん老舗ならではの使いやすさ(固定資産登録とか)や安定感(問い合わせの回答が早いとか)もありました。
大手ならではのメリットもある



やよいを選ぶメリットは安さと消費税対応!
マネーフォワード・freee・やよいで一番価格が安く、かつ最安プランでも消費税対応しているのはやよいです。
大手なのでお安くできるのでしょう。
また、シェアがトップですから仲の良いフリーランス仲間も使っている可能性があります。



同じソフト使ってる仲間がいると聞きあえるからいいかもね。
周りが何を使っているかも参考にして決めても良いかもしれませんね。
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