この記事では青色申告するフリーランス対象の確定申告ソフト「マネーフォワード クラウド確定申告」を紹介します。

自分もマネーフォワードをメインに使っていて特に過不足なく使えています(いや十分すぎる)。
確定申告ソフトにはマネーフォワード以外にもfreee会計・やよいの青色申告オンラインがあり、シェアでは負けがちのマネーフォワードですが、税理士さん界隈では一番おすすめされている、とても高機能な会計ソフトです。



将来税理士に申告を頼むくらいになっても安心ってことか。
この記事では私コギトと同じ以下のような方を想定してお話していきます。
- 複雑な会計(実店舗・雇用)がない
- 個人事業主(法人ではない)
- 青色申告をする



個人でも法人でもどのプランでも会計ソフトの使用感は基本同じです。
会計ソフトのブランドをどれにした方がいいのかなと迷っている人は是非この記事を参考にしてください!
実際の画面などをお見せしながら、初期設定から確定申告までの一連の作業の使い勝手や機能をレビューしていきます。
あなたが確定申告ソフトを選ぶ際の参考になれば嬉しいです!
マネーフォワード・弥生・freee、3社を使ってみて比較した記事もありますので参考にしてください。
【徹底比較】個人事業主の確定申告ソフト3社の違い・どれがおすすめ?
確定申告ソフトは無料じゃダメなんですか?
【無料ソフトでもOK!?】フリーランスに最適な確定申告(青色)ソフト
マネーフォワードクラウド確定申告 プランはどれがいい?


マネーフォワード クラウド確定申告には「パーソナルミニ」「パーソナル」「パーソナルプラス」と個人事業主用のプランがあります。
プラン | 月額(税込み) | 年額(税込み) | 機能 |
---|---|---|---|
パーソナルミニ | 1,408円 | 11,880円 | ベーシックな機能 |
パーソナル | 1,848円 | 16,896円 | パーソナルミニ+消費税対応 |
パーソナルプラス | なし | 39,336円 | パーソナル+電話相談可能 |
会計が複雑でないフリーランスにとっては「パーソナルミニ」で十分です。



マイクロ法人などの法人使用だと別で契約(マネーフォワードクラウド会計)が必要です。
「パーソナルミニ」を消費税対応させると「パーソナル」プランに。「パーソナル」に電話相談機能をつけると「パーソナルプラス」になるイメージです。



インボイスに登録している人はパーソナルプランになっちゃうね…
最安プランで唯一消費税の対応をしている会計ソフトは「やよいの青色申告オンライン」になります。
やよいの青色申告オンライン(セルフプラン)のレビュー記事はこちら
マネーフォワード・パーソナルミニプラン基本情報



マネーフォワード クラウド確定申告の基本情報はこんな感じ!
月払い価格:1,408円(税込み)
年払い価格:11,880円(税込み)
無料お試し期間:1ヶ月
対応PC:Windows○、Mac○
口座・クレカ連携:できる
確定申告書作成:できる
価格は弥生よりも高めですが、freeeよりは安い、という感じです。
必要十分な機能を備えているので、確定申告に困ることはありません。
マネーフォワードクラウド確定申告の使用感・機能
ここからはマネーフォワード クラウド確定申告のパーソナルミニプランを実際に使ってみたレビューをしていきます。



フリーランスの多くが使いそうな機能を見ていきましょう。
ホーム画面と初期設定


アカウント登録を済ませるとこのようなホーム画面になります。
右上の「はじめての方はこちら(個人事業主ホーム)」で、動画で初期設定の仕方を説明してくれるのでわかりやすいです。


口座の連携
有料会計ソフトならではの機能「口座・クレカの連携」は全員使う機能ですね。


「データ連携」から銀行やクレカの種類を選んで、アカウントやパスワードを入力していけば簡単です。



画面の遷移とかでごちゃごちゃしないで一気にできちゃう印象。



モバイルSuicaなども問題なく連携可能です!
仕訳の入力はマネーフォワードが一番!



年間通じて一番作業が多い「仕訳」の作業はこんな感じです。
自動仕訳の操作
事業用の口座やクレジットカードを連携すると、ホーム画面にタスクが表示され、やることがハッキリわかるのが良いです。


これが自動仕訳の作業画面は以下のようになっています。


口座やクレカの取引を自動で吸い上げてくれるので、数字や日付を入力する必要はなし。どういう種類の取引か(勘定科目)を選んで登録を押せばOK。



ポチポチ登録押していくだけなので簡単。動作もマネーフォワードは早いです!
- 勘定科目などをプルダウンで選ぶ(AIが推測してくれる)
- 登録をクリック
メモなどを残したい場合などや細かく確認したければ詳細入力画面へも飛べるので便利(やよいはできない)。



AIで取引を記憶するので、だんだんと同じ取引は自動で正しい勘定科目が表示されるようになりワンクリックするだけになっていきます。
手入力の画面
手入力は「簡単入力」と「振替伝票入力」「仕訳帳入力」など、入力画面を選んで使えてかなり高機能です。
- 簡単入力:簿記が苦手な人向け
- 振替伝票入力:2行以上の仕訳やメモを残したりしたい場合
- 仕訳帳入力:同じ種類の仕訳を高速で入力したい場合



仕訳の手入力が多い人は駆使すれば他のソフトより大幅に時短になります!



作業の効率化の機能があるのはマネーフォワードだけだね。
簡単入力
簡単入力は簿記の知識の少ない方向けで、下のようなフローで入力していけます。
- 収入・支出を選択
- 勘定科目などを選ぶ
- 日付を入力
- 金額を入力
- 確認して登録をクリック


入力すると、その下に結果が表示されます。


「編集」ボタンから修正も行えます。
振替伝票入力
振替伝票入力は簿記の仕訳の表のまんまで、複数行の仕訳ができたり仕訳辞書を呼び出して入力できたりする高カスタマイズな入力スタイルです。


入力すると同じように結果が画面の下に表示されます。





とっても便利なのは「入力内容を保持」と「仕訳辞書として保存」です。
入力内容保持:同じような仕訳をいくつも入力したい場合に、内容を保存して次の仕訳を入力できる
仕訳辞書:よく使う仕訳の設定を保存しておいて、呼び出せる
自分は「カフェで作業」とか「コンビニコピー」などしばしば手入力するようなものを仕訳辞書に登録しています。
「勘定科目何だっけ…」となりそうな項目を仕訳辞書に登録しておくと便利です。
仕訳帳入力


仕訳帳入力は、キーボードだけで入力が行っていくための「高速入力」画面です。
キーボードで入力し、TABキーを押していけば次々と次の項目が入力できる「マウス不要」の設計。



登録ボタンもないので一行入力したら登録完了しています。
一つ前の仕訳と同じ項目は何も入力しないでTABキーを押すと同じ項目・金額が入力されます。



毎日同じ支出の入力がある場合とか、超便利!
自分も月に10件以上ある、駅の駐輪場(現金払い)の仕訳などは仕訳帳登録で登録しています。
このようにマネーフォワードは便利に仕訳が入力できるような工夫がたくさん。
効率化という意味ではマネーフォワードはfreeeや弥生に何歩もリードしています。
家事按分
自宅で仕事をする人が電気代などを「個人使用」と「事業使用」で分けて一部を経費にできるのが按分設定です。
決算・申告メニュー の「家事按分」の画面で、勘定科目(通信費など)と補助科目(携帯電話代など)を設定し、按分の%を選べば終わりです。


ただし、仕訳をした後の決算前に按分のページで「確認と登録」の作業をしなければならず、按分されずに確定申告までいく危険性があるのが難点。
- 補助科目(電気代など細かい項目)と%を決めて按分を設定する
- 設定した補助科目を含めて仕訳する
- 決算前に忘れず按分の「仕訳登録」をクリック



確定申告の画面でも確認をしてくれないので、本当に忘れてはいけないやつ。



勝手に計算してくれるのは便利だけど、トラップもある…
マネーフォワードの按分設定について詳しくは以下の記事で説明しています。


固定資産の登録
パソコンなど10万円以上のものを購入すると基本的にその年に全て経費にできません。決められた耐用年数で「減価償却」を行うことになります。
マネーフォワードでは、「固定資産を購入した仕訳」と「固定資産台帳の登録(減価償却のため)」の2つの処理を行う必要があります。
- 「備品」などで購入の仕訳をする
- 「決算・申告」→「固定資産台帳」の画面から固定資産の追加設定をする



どっちかだけやってやったつもりになりがち。


これで以下のように減価償却だけが仕訳されました


マネーフォワードでの固定資産の登録方法は以下の記事でも解説しています。


スマホ使用
「MF確定申告」というアプリで、仕訳の手入力や口座・クレカの自動連携仕訳、レシート取込入力などを行うことができます。
レシート読み取り
レシート読み取り機能は精度が高く、ちょっと曲がったレシートも割にしっかり認識してくれました。
日付と金額はしっかり入力されていて、スマホ完結で「登録」を押せば仕訳が登録します。


PC画面にもすぐに反映されていました。





でもパーソナルミニだと月5枚までなんですよね。
パーソナルミニプランでレシート撮影仕訳ができるのは月5枚まで(パーソナルプランでも6枚目からは1枚22円かかります)。
レシートを絶対に紙で取っておきたくない!という人は弥生(上限なし)か、freeeの上位プラン(月10GBまで)を選ぶことになります。
無駄なお金を払いたくない人は紙保存→PCで仕訳、をする方法で問題ないと思います。



わざわざスマホで仕訳をしなくてもいいよね。
スマホで仕訳
連携した口座・クレカの取引で未仕訳なものをスマホで処理することに関しては使い勝手が悪いです。


機能できるにはできます、freeeなら同じ画面上でワンタップでOK(次々仕訳できる)なところを、3〜4回タップ&画面遷移で、仕訳がサクサク進みません。
ちなみにスマホでの仕訳手入力はおすすめではありませんが、下のような画面です。


請求書・領収書発行
「マネーフォワードクラウド請求書」という別アプリで請求書や領収書の作成を行います。



別アプリだけど、会計ソフトの画面から飛べるので不便ではありません。


請求書や領収書は相手先(取引先)15件まで登録することができ、発行できます。



何通でも発行はできますが、取引先を登録できるのは15件まで。
15件という登録数に達してしまった時も、いらない取引先を消去すればまた新たな取引先を登録できます。
名前や住所・振込先を登録しておくことで作成時に自動表示してくれるので便利。
宛名の直接入力はできない(取引先を登録するような設定になっている)し、空欄で発行することもできないのが使い勝手が悪いところ(やよいもfreeeも同じ)。
また、宛名を必ず登録しなければならない設計なので、宛名空白の領収書は作ることができません。
請求書は10のテンプレートから選べます(領収書は1パターンのみ)。


決算書作成と確定申告書の送信
マネーフォワードの確定申告画面はやよいやfreeeに比べて若干「おかため」で、一般的に使われている確定申告や控除の用語がそのまま出てきます。





用語になじみのある人にはかえってわかりやすいのでは。


確定申告書を画面上で確認しながら操作でき、できたものをデータでダウンロードします。


freeeややよいでは会計ソフトからそのままe-Taxに確定申告書を送信して完了させることができるのですが、マネーフォワードは自分でe-Taxに入って確定申告書を読み込ませる必要があります。



マネーフォワードのソフトから提出できるわけではないんだね。



マネーフォワードでは配当控除や外国税額控除の入力はできますが、自動計算や明細書の作成はしてくれません。
配当控除の自動計算や外国税額控除の明細書作成までできる「確定申告書作成コーナー」で確定申告!
フリーランスの確定申告の手順完全まとめ
サポート体制
パーソナルミニプランではわからないことがあれば、画面右下に常に表示されている「AIチャットボット」でかんたんにAIに質問できたり、そのまま人間オペレーターとチャットのやり取りをすることもできます。





問い合わせの場所がわかりにくいサービスもあるけど、マネーフォワードはわかりやすい。
freeeは一旦AIに質問してやりとりしないと人間オペレーターには繋がらないシステムになっています。
マネーフォワードは最初からオペレーターを希望してやり取りできるのがGOOD。



最安プランの中ではマネーフォワードが一番サポート体制が良いと言えるね。
解約
マネーフォワードの解約は「料金・プラン」の画面から簡単に行えます。
解約をしても今まで行った仕訳などのデータは保管されているので、再契約すれば続きから使うことができます。



やりにくいのは、月・年契約の残り日数があっても解約した時点でサービスが使えなくなること。
契約途中で解約しても返金はなし。これはやよいも一緒です(freeeは解約しても残り日数は使用できる)。
- 使わなくなった後で
- 更新される前に
タイミングを見計らって解約をしなければいけません。
【評判・口コミ】マネーフォワードクラウド確定申告を使用している人の感想
ここではSNSからマネーフォワードを使って確定申告をした人の評判をピックアップして紹介します。
確定申告のソフトを今年からマネーフォワードに変えた。フリーより3割くらい使いやすかった…早く変えとけばよかった…。 確定申告のイライラは少ない方がいい…。


マネーフォワード確定申告のチャットオペレーターが爆速対応で助かる…今日の今日なのに…私みたいな人がいっぱいいるだろうに…


freeeとマネーフォワードの両方のソフト使ってますが確定申告に良いのはfreeeですね。簡単です。マネーフォワードは貸方借方とか知識ないといけない。しかし操作はマネーフォワードが簡単、値段も安い 一括登録がマネーフォワードは安いプランでできるけどfreeeは10倍プランにしないと駄目。


総括:マネーフォワードクラウド確定申告(パーソナルミニ)がおすすめな人
マネーフォワード クラウド確定申告は自分もメインとして使用していますが、以下のような人におすすめです。
- パソコンメインで作業をする人
- なるべく速く作業を進めたい人
- 簿記や税金の知識がある人・つけたい人
- マネーフォワードMeを使っている人
税理士さんも推薦するソフト
マネーフォワード クラウド確定申告はシェアは低いものの、税理士さんに「おすすめの確定申告ソフトは?」とたずねると、十中八九マネーフォワードが上がってきます。
とっかかり難しそうですが、最終的にはとても使いやすい「質実剛健」なソフトということができます。



簿記の知識が少しでもある人はマネーフォワードがおすすめ!
また、税理士が好むソフトということは、将来税理士さんに会計を任せることになった時も安心、ということ。



今後事業が拡大した後でも「給与」「勤怠」などさまざまなサービスがあり、拡張性があるのもメリット
使っていくうちに簿記や税金がわかってくる
簿記や税金の用語をなるべく使わないように設計しているfreeeに比べて、マネーフォワードはそのままの用語で表記しています。



最初はちょっとウッてなるかも…
ただし、ゆくゆくそのような用語を理解していった方がいいに決まっていますよね?
マネーフォワードを使っていれば自然に簿記・税金の用語に慣れて理解していくことができます。
「ゆくゆく簿記や税金の知識をつけていきたい」と感じている人には一番おすすめです。



freeeは初心者にはわかりやすいけど、知識は一生つかないでしょう。
作業の効率化をしたいならマネーフォワード一択
- 高速の「仕訳帳入力」
- ひらがなの状態でも表示される勘定科目の「予測変換」
などマネーフォワードには作業を効率化する工夫がたくさん盛り込まれています。



freeeややよいにはない発想。
とくに個人の財布から支出したり、現金を扱うなどで、仕訳の手入力が多くなる人はマネーフォワード一択です。



物販やせどりなど仕訳の数が多くなる人もマネーフォワードがいいよね
追記:マネーフォワードMeから経費を登録できる!
家計簿アプリの「マネーフォワードMe」で入力した支出を事業経費にして確定申告ソフトに飛ばすこともできます。





使いようによっては便利かもね。
マネーフォワードは高機能で効率化もはかれ、価格も月額では最安値。
どれか決めかねる!と思ってしまったらマネーフォワード クラウド確定申告を選択しておけば間違いない、と感じました!
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