結局マイクロ法人っていくらくらいかかるの?
今回の記事ではマイクロ法人運営の維持費(ランニングコスト)について解説します。
1年目と2年目以降ではかかる費用に違いがあるので分けて解説していきます。
結果から言うと(経費や社会保険料・役員報酬、資本金は除いて)マイクロ法人の運営のみにかかる年間費用の合計はざっくり以下になります。
↓自力決算の場合(設立もセルフ)
- 設立と1年目:173,000円
- 2年目以降:116,760円
↓決算のみ税理士に任せる場合(設立はセルフ)
- 設立と1年目:251,540円
- 2年目以降:205,760円
↓税理士に会計を任せる場合(設立はセルフ)
- 設立と1年目:439,600円
- 2年目以降:370,000円
マイクロ法人をつくらなければ発生しない、純粋なマイクロ法人オンリーのコストです。
↓以下は運用コストの計算に入れていません
- 実際の事業の経費(人それぞれだから)
- 社会保険料(マイクロ法人でなくても払うから)
- 自分への役員報酬(資金移動みたいなものだから)
- 資本金(貯金みたいなものだから)
本文で詳しく解説しますので是非最後までお読みください!
- 大学院修了後教員採用試験不合格で一年浪人の後、合格
- 音楽教員として18年勤める
- 職場での人間関係や働き方に疑問を感じ、人生のこれからについて考え直す
- 2020年コロナがきっかけで副業を始める、2021年には副業収入6桁超え
- 教員を辞めることを決意、2023年3月に退職、5月には公務員時代の月収を超える
- 現在フリーランスをしながらマイクロ法人2期目
マイクロ法人の維持費(ランニングコスト)いくらかかる?
自力決算の場合の維持費
マイクロ法人1年目に実際にかかった費用の内訳は以下の通りです。
設立初年度 | 項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
設立費用 | 定款作成代 | 5,000円 | 場合によっては無料に |
法人印代 | 6,380円 | 4,000円くらいから作れる | |
設立登記申請代(印紙) | 60,000円 | 一律かかる | |
証明書取得費 | 4,120円 | 印鑑証明や登記簿謄本など | |
期中の運用 | 会計ソフト代 | 11,940円 | マネーフォワードスモールビジネスプラン 年末調整提出〜決算の3ヶ月だけ契約 年間契約なら35,760円 |
決算 | 法人税申告費用 | 21,582円 | 「全力法人税」初年度の金額 |
法人県民税 | 18,300円 | 初年度だけ少し安くできた | |
法人市民税 | 45,800円 | 初年度だけ少し安くできた | |
合計 | 173,122円 |
設立費用があるから結構高めですね。
2年目以降を試算してみると以下の金額になります。
2年目〜 | 項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
期中の運用 | 会計ソフト代 | 35,760円 | マネーフォワードスモールビジネスプラン年額 |
決算 | 法人税申告費用 | 11,000円 | 「全力法人税」2年目以降の金額(安くなる) |
法人県民税 | 20,000円 | 一律 | |
法人市民税 | 50,000円 | 一律 | |
合計 | 116,760円 |
マイクロ法人の維持費をもっと安くする裏ワザをこっそり教えます→こちらから
税理士に会計を依頼する場合の維持費
そもそもマイクロ法人の会計を税理士に頼むといくらかかるの?
以下のポストにたくさんの答えが寄せられていました。
マイクロ法人やってる人
— S&P500最強伝説 (@toruoka2016) February 3, 2024
税理士費用ってどれくらいですか?申告代行とスポット相談くらい
だいたいどこも30万円で提示されるんだが、高いのか安いのか…
●「1社は、まぁまぁ取引件数が有って、記帳から申告までで約30万円です。 もう1社は、ほぼ取引が無く、記帳から決算まで約12万円です。 自分で仕訳して決算書まで仕上げて、申告だけ任せる場合は、前者の場合、年6〜8万円ぐらい安くなる感じです。」
●「一年間に決算のみで15万円です。(消費税込みで。)安いとこありますよ。」
●「一時期、マイクロ法人の期間がありましたがその時は20万円程でした。 内訳は ・毎月の記帳代行 12万円(1万円×12ヶ月) ・決算申告 8万円 但し毎月の記帳はほぼ自分でやる (軽微な修正のみ対応) これで結構格安だった記憶があるので、30万円は妥当な感じかもですね。」
税理士ドットコムなどの紹介サービスを使うと結構安くなるみたいですね。
Xのポストの返信より
まとめると以下が相場のようです。
- 記帳など基本的なものを自分で、決算や法人税申告を税理士に→10〜15万円
- 日々の記帳から全て税理士にお任せ→30〜50万円
決算・申告を任せる場合は法人税申告ソフトは不要になり、日々の記帳から全部まかせた場合は会計ソフトの費用も必要なくなるので、そこのコストは浮きますね。
決算や法人税申告だけ税理士に依頼するパターン(安い)
税理士費用を一番安く済ませる「決算・法人税申告だけを税理士に任せ」て10万円を支払う設定でランニングコストを計算してみましょう(設立登記はセルフで行います)。
初年度は以下です。
設立初年度 | 項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
設立費用 | 定款作成代 | 5,000円 | 場合によっては無料に |
法人印代 | 6,380円 | 4,000円くらいから作れる | |
設立登記申請代(印紙) | 60,000円 | 一律かかる | |
証明書取得費 | 4,120円 | 印鑑証明や登記簿謄本など | |
期中の運用 | 会計ソフト代 | 11,940円 | マネーフォワードスモールビジネスプラン 年末調整提出〜決算の3ヶ月だけ契約 年間なら35,760円 |
決算 | 法人税申告費用 | 100,000円 | 税理士に依頼 |
法人県民税 | 18,300円 | 初年度だけ少し安くできた | |
法人市民税 | 45,800円 | 初年度だけ少し安くできた | |
合計 | 251,540円 |
2年目以降は以下になります。
2年目〜 | 項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
期中の運用 | 会計ソフト代 | 35,760円 | マネーフォワードスモールビジネスプラン年額 |
決算 | 法人税申告費用 | 100,000円 | 税理士に依頼 |
法人県民税 | 20,000円 | 一律 | |
法人市民税 | 50,000円 | 一律 | |
合計 | 205,760円 |
税理士に少しでも依頼すると自力決算の倍くらいのランニングコストになりますね…。
全部税理士にお任せするパターン(高い)
普段の記帳から決算・申告まですべて税理士に任せる場合のパターンで試算すると以下のようになります(税理士に支払う費用は30万円とする)。設立登記はセルフで行います。
初年度は以下です。
設立初年度 | 項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
設立費用 | 定款作成代 | 5,000円 | 場合によっては無料に |
法人印代 | 6,380円 | 4,000円くらいから作れる | |
設立登記申請代(印紙) | 60,000円 | 一律かかる | |
証明書取得費 | 4,120円 | 印鑑証明や登記簿謄本など | |
期中の運用 | 会計ソフト代 | – | 税理士に依頼するので不要 |
決算 | 税理士依頼費用 | 300,000円 | 記帳から申告まですべて依頼 |
法人県民税 | 18,300円 | 初年度だけ少し安くできた | |
法人市民税 | 45,800円 | 初年度だけ少し安くできた | |
合計 | 439,600円 |
2年目以降は以下になります。
2年目〜 | 項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
期中の運用 | 会計ソフト代 | ‐ | 税理士に依頼するので不要 |
決算 | 税理士依頼費用 | 300,000円 | 記帳から申告まですべて依頼 |
法人県民税 | 20,000円 | 一律 | |
法人市民税 | 50,000円 | 一律 | |
合計 | 370,000円 |
全部お任せだと、自力決算の4倍くらいの費用がかかる予想…
マイクロ法人の税理士は知り合いやツテを頼るより、自分が考える条件にマッチする税理士さんをネットで探すのがおすすめです。
マイクロ法人なら遠くの税理士さんでも問題ありませんしね。
税理士ドットコムという自分の提示する条件に合う税理士をピックアップして何度でも無料で紹介してくれるサービス(もちろん法人もOK)があってこれが評判がよく便利です。依頼する側は紹介サービスが完全無料なので安心。
同じく完全無料で税理士との契約が成立したときにはお祝い金が出る、税理士紹介ネットワークもおすすめ。
時間が大事な人は税理士を頼むのも良い
税理士に頼むとやっぱり高いですよねぇ〜。自分はケチ人間なので全て自力決算をして運営費用を浮かせています。
マイクロ法人の運営費用を極限までカットする裏ワザをnoteでこっそり出しています→こちら
簿記も持っているし、のんびり仕事しているタイプなので、節約できる額の分バイトをしてると思ってやっています。
でも考え方や状況は人それぞれ。
- やりたい仕事に全精力そそぎたい
- 時間をかけて節約するくらいなら家族や自分に時間を使いたい
- 節約できる額よりも仕事したほうがトータル稼げる
- 会計が苦手過ぎて自分には無理…
このように考える人は税理士に頼むことを検討するのも全然アリだと思います(自分もそのぐらいのレベルくらいにはなりたい…)。
ただし、税理士に頼むとマイクロ法人の維持費が高くなるため、最悪の場合、社会保険料や節税で得する額よりも維持費が高くなり、損になってしまうこともあります。
ちゃんと損得勘定をしてから税理士に頼む必要がありそうね…
マイクロ法人を運営すると社会保険料は個人事業での稼ぎが多いほど節約できる額が大きくなり、少ないほど小さくなります。
よって「税理士に依頼した時の維持費よりも社会保険料の節約額が大きくなるくらい個人事業でたくさん稼げている人」は税理士に頼むメリットが出てくる、というわけです。
その額を知りたい!
マイクロ法人のコスパ・タイパ(損益分岐点)については以下の記事でまとめているので是非お読みください。
今回は以上です!
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