今年度末で退職したいけど、いつ管理職に言えばいいの?
引き止められたらどうしよう…
2022年9月に「今年度いっぱいで退職する」ことを伝えた私が体験談をまじえて解説します。
仕事を辞める権利は法律によって誰にも保証されています。
「このまま教員を続けていくことは無理」
「違う道で生きていきたい」
と思ったら退職が視野に入ってきますね。
引きとめに合おうがなんであろうが最終的に退職の固い意思を伝えれば辞めることはできます。
でもなるべくならスムーズに、話をこじらせず、円満に辞めることができるといいですよね。
そのためには退職を伝えるタイミングや理由付けが重要なポイントになります。
今回は私が退職の表明をした時に管理職と話した内容を紹介しながら、「退職の意思を伝える時のポイント」を解説します。
ポイントをまとめると以下の3つです!
- 退職の意思は決まったら早めに伝える(9月ごろがベスト)
- 納得してもらえる理由を用意して伝える
- 今の仕事に対する不満は言わない
退職を伝えるタイミングが遅れたり余計なことを話してこじれたりすると、本来スムーズに辞められるはずが、管理職から難色示されたり、何度も面談を設定されて引き止めにあったりと疲弊させられます。
こんなことがないように計画的に退職を伝えて、自分側も学校側も困らないように退職を進めていきましょう。
- 大学院修了後教員採用試験不合格で一年浪人の後、合格
- 音楽教員として18年勤める
- 職場での人間関係や働き方に疑問を感じ、人生のこれからについて考え直す
- 2020年コロナがきっかけで副業を始める、2021年には副業収入6桁超え
- 教員を辞めることを決意、2023年3月に退職、5月には公務員時代の月収を超える
- 現在フリーランスをしながらマイクロ法人2期目
退職の意思は決まったら早めに伝える(9月ごろがベスト)
年度末で退職をする場合は、9月頃までに退職の意思を管理職に伝えておくのがベストです。
私が退職を職場で承認されるまでの経過は以下でした。
- 来年度の「意向確認調書」が9月に配付され、退職予定の有無に記入して提出
- 管理職面談で決定
「意向確認調書」とは、「来年度退職の予定はあるか」「来年度はどの学年や分掌を担当したいか」などの自分の意見を記入する用紙になり、書く自治体で名前は違うものの、9月〜10月頃に配付され記入することが多いです。
今まで退職の予定をまったく仄めかしてもいなかった私ですが、退職の場合の意向確認調書の書き方に不明な点があったので、
退職するつもりなんですけど、どこまで書けばいいんですか?
と、提出前に質問しに行ったところ、管理職が一瞬絶句してフリーズしていました。
そのあとは丁寧に書き方を教えてくれ、「理由とかしっかり聞きたいから今度面談しましょう」と言われました。
意向確認調書の提出が9月になるのは、10月に教員採用試験の結果を発表するためと思われます。それまでに現任の先生がどのくらいいなくなってどのくらいの人数を採用するのかを確認したいという人事側の理由によって、9月頃に意向を確認されるようです。
退職するかどうかは9月までに決めておくのが周りにとってはベストってことね。
それでもこの9月を過ぎたからといって退職が難しくなるわけではなく、私の学校では「意向確認調書」で退職予定の有無を9月に書いたあと、別に「退職予定の方は12月○日までに管理職までに申し出てください」という連絡がされていました。最悪遅くともこの12月の頭くらいまでに伝えれば大丈夫、ということになっているようでした。
逆にこの12月を過ぎて退職を伝えると迷惑がかかり、話が面倒になるのは確実です。
公務員は承認されないと退職はできない!?
一般企業の場合、「2週間前までに申し出れば労働者側からいつでも辞めることができる」と定められています。しかし公務員の場合は一般企業と違って「労働三法」ではなく「地方公務員法」の方が優先されています。公務員は職務上の義務として法令及び上司の命令に従う義務(同法32条)、職務に専念する義務(同法35条)が課せられ、業務上の命令に従わなければなりません。このため、二週間前に辞表を出せば簡単に辞められる、という原則どおりにいかない場合もありそうです。
納得してもらえる理由を伝える
退職の意向を伝えた後、その場で、または後日に管理職による面談が行われます。ここでしっかりと自分の退職の意思を伝える必要があります。
スムーズに辞めたいなら、退職の意思は固いことを示した方が良いです。迷っている様子がわかるとあなたが優秀な教員であればあるほど「なんとか思いとどまってほしい」と説得が始まり、退職に時間がかかります。
私は単に「自分が辞めようと思うから辞める」という自己都合退職に該当します。
「自己都合退職」の場合、辞める理由は人それぞれですが、面談の際には「相手(管理職)が納得できる理由」を伝えるようにした方が無難です。
私はどうせ辞めるのだから手っ取り早いほうがいいと思って上司が納得せざるを得ない理由を選んで伝えました
自分がどうしても辞めたいけど強い引き止めに合うことががわかっているなら、「家庭の事情」を理由にするのが効果的です。日頃学校の中心人物として活躍するような仕事のできる人であればあるほど、ただ「辞めたいから辞める」だけでは引き止めにあいます。
退職理由の中で一番引き止めに合わない理由は「家族の介護」などです。退職する本人にはどうしようもできない理由ですし、学校も深く踏み込んで聞けない理由であり、引き止める術もありません。
実際に私の校長も面談の最初に「家族のことみたいだからあまり踏み込んでは聞けないし聞かない。話したくないことは話さなくて良いけど、理由を聞かせて」と言ってくれました。
困ったら「これ以上は事情で話せません」でOKです。どうせ退職金の少ない自己都合退職です。
また、次の仕事が来年度すでに決まっている、と伝えることも有効です。
転職するなら次の職が決まっていることを伝えればOKなのね。
次の働き口が決まっていることを伝えれば、「それならしょうがないね」と引き止めをあきらめてもらえます。
もし退職の理由が仕事でのトラブルや病気ケガであるなら、「自己都合退職」ではなくなります。仕事に原因がある退職の場合は退職金などが多くもらえるなど待遇が変わってきますので、現状をしっかり伝えることが必要です。
今の仕事に対する不満は言わない
仕事をやめようとしているわけですから、その仕事に何も不満のない人はいないでしょうし、今の仕事に対する不満が退職の理由の中心になっている人も多いと思います。
しかしたとえ今の職場に対する不満で仕事を退職する場合でも、退職を伝えるときに職場への不満を言ってしまうのは良い方法とは言えません。
- 「解消するから」と言われて言いくるめられる可能性がある
- 職場での問題に話題がそれて、話自体が長引く
- 辞めるまでの間に職場での人間関係がギクシャクする
私も退職する年の自分の立場や働き方には不満はありましたが、不満があることは面談では一切口にしませんでした。
大人対応する気持ちで臨みましょう。
管理職との面談のやりとり(体験談)
私が退職する最も大きな理由は「中間管理職になって仕事がつまらなくなったから」です。できれば大好きな音楽の授業をする担任業をずっとやっていたかったのですが、同僚間の調整、保護者間の調整など、本来教員としての仕事以外が仕事の大半を占めるようになり、人間関係に疲弊してしまっている状況です。
もともと一人でなんでもやりたい、コミュ障気味の人間なんです…
かたわらでおもしろくなさそうな仕事に忙殺されている管理職を見て「自分もこんな感じになる人生なのか…」と将来の姿を見るようで嫌でした。
その他にも「音楽をもっとやりたい」「もっと家族といる時間をつくりたい」とか挙げればたくさんの理由があります。
それを実現するために、フリーランスになり、それまでの副業収入を増やして生活していく決意をしました。
しかし、これを正直に管理職に伝えたところで「本当に大丈夫なのか」とか「うまくいかないよ」とか「そんな悩みは誰でもある」とか言われそうなことは目に見えていました。
どうせ自己都合退職。ここは管理職も「それならしょうがない」と言わざるを得ない理由を伝えてスムーズに退職しようと思い、次のような会話になりました。結構うまくいき、10分くらいで話がまとまったので、参考にしてください。
校長「やめる理由を聞かせてくれるかな」
自分「家族の介護をすることになったので」
校長「他に介護してくれる人はいないのかね」
自分「いますがさまざまな事情を家族で考えて、自分が世話することに決めました」
校長「そうですか。来年は仕事とか経済面で大丈夫なの?」
自分「家族の世話をしながら仕事することに決まってます(ウソではない)」
校長「へえ。何関係の仕事なの?」
自分「ウェブ関係でリモートでできる仕事です(ウソじゃない)」
校長「なるほど」
(もしあなたが職場環境の理由で病気等になってしまった場合、勧奨退職に該当する場合などは単なる自己都合退職の場合と比べて退職金の額が変わってきたりするので、正直に現在の状況を管理職に話してください。)
管理職の面談で退職の理由について嘘をつくということになりますから「適当なことを答えて罪の意識を感じないのか?」と言われそうですが、私は特にそうは思いません。
結果そうすることが一番「だれも傷つけず、誰に手間や迷惑をかけることもなく辞める手段」だからです。
管理職も話が面倒にならない方が楽ですよね。
まとめ 退職の意思は理由をそろえて早めに伝える!
職場の事情(採用や来年度の人員調整)を考えると退職を伝えるのは早めであればあるほどいいですし、早く伝えておけば難色を示されたり引き留めに合うことも少なく退職を決定することができます。
でも、「退職する」って自分で決めるにも時間がかかりますよね…
私も退職を決めるまでにも相当悩みましたし、決めた後も本当に伝えて大丈夫なのかと怖気付いてしまったりもしました
実際に職場に退職を伝えるまでには、個人的な準備がかなり必要になります。
- 退職が現実的に可能なのか主に経済面について考える
- 退職を決意する
- 周囲の人に相談したり伝えたりする
とくに家族を説得したりするのには「言い出しにくい」「反対されている」などの理由で思った以上の時間がかかったりするため、職場に退職を実際に伝えるのが遅れがちになります。
退職の意思を伝えるのは前述したように9月がベストですので、夏休みなどの時間を使ってゆっくり考えたり家族と相談するなど計画的に進めるようにしましょう(私は独身一人暮らしなので、親と兄弟に話すだけで良く、比較的楽でした)
私が家族に退職を相談したときの体験談もこちらから読んでみてください!
今回は以上です!
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